ZK通信
3.122025
GC10ハコスカ インジェクション化 F-CONVPro フルコン仕様
鹿屋のカズマシンサービス様より、GC10ハコスカのインジェクション化&ダイレクトイグニッション化を行い、HKSのFコンVプロで制御を行いたいとお仕事のご依頼を頂きました
と言いましても、配線の指示をこちらでさせて頂いて、機械的な作業はカズマシンサービス様で行って、Vプロの設定、セッティングを僕が作業した感じです。クランク角センサーに始まり、スロットルポジションセンサー、水温センサー、吸気温度センサー、MAPセンサー、デリバリーパイプ、インジェクター、燃料ポンプ、燃料レギュレーター、6連スロットル等の取り付け、各センサーからの配線の取り回し等、上げると沢山の作業が終わった連絡を頂いた時点でエンジン始動出来る暫定データを作成し一度カズマシンサービス様へお伺い
クルマに詳しい方が見ても、ノーマルで最初からこうなんですよね?と言うくらいにノーマル然とインジェクション化、ダイレクトイグニッション化されています。この辺の作業の丁寧さ、正確さは僕自身も学ぶべき所が沢山あります。カズマシンサービスの南和則代表の作業は間違いないと信用はしていますが、一通り感心しながら、取り付けを確認後、Vプロに暫定データを入力、セルを回します。一発で始動と言いたい所ですが、この手のキャブ→インジェクション&ダイレクトイグニッション化はクランク角センサーの認識しているクランク角度とVプロのエンジン角度の認識角度を一致させるのに少々手こずります。タイミングライトを使用しVプロのモニター画面を見比べながらセルを回すこと数十回?なんとなく何が起きているのか見えてきて調整を繰り返すと、実際のクランク角度とVプロが認識している角度が一致し初爆が出始めます。初爆は出るが始動に至らないを繰り返し、燃料の噴射の量やタイミングを調整、少しだけアクセルを入れるとようやく始動となります。始動してしまえばこっちの物感が出てきて、アイドルを維持できるくらいまでなんとなくデータ作成がすすみます。ここで僕の作業は一旦終了し、その後はカズマシンサービス様でオイルや水の漏れのチェックやその他の不具合の確認、修正をしていただきます。
問題がない事を数日確認して頂きましたので、お店にお車入庫いただきまして、ダイナパックに接続しセッティングを行います
何度もエンジンを回し、最終的には180馬力、トルク20キロとなりました。補正係数は1.0での値になりますので、一般的なシャシーダイナモ計測の数字に直すと210馬力位かと思われます。実は最初に僕が考えたデータで回したところ120馬力位しか出ず、カズマシンサービス様とオンラインでお話ししながら、L型エンジンの特性などをアドバイス頂きながらデータ作成をした結果となります。
L型エンジンを触るのは初めてでしたが、RBエンジンと通じる部分を感じつつ、約50年前の旧車に魅了される方が沢山いる事を理解させられた、興味深くもあり、楽しくもあり、何か忘れかけていた物を思い出させてくれる仕事となりました。こんなにクルマ好きの心揺さぶるクルマがある事を日産自動車は誇りに思うと共に大切にして欲しいなとも感じた仕事でした。
キャブ車を現在の制御技術を使ってインジェクション化&ダイレクトイグニッション化、本当に今の車の様に街乗りもスイスイになりますし、燃費も良くなり、排ガスも綺麗になります。こんなチューニングは時代にもマッチしていて大いに有りなのではないかと感じています。ご依頼ありがとうございました。