ZK通信

HONDA S2000 AP1 TODAエンジン Vproセッティング

ホンダが大好きなお客様より、大切なS2000の走行距離が20万キロを超えたのでエンジンリフレッシュしたいとご依頼いただきました

色々とお客様とメニューを相談させて頂いた結果、エンジン本体の作業を戸田レーシングさんへお願いする事にしました。戸田レーシングさんはフォーミュラーのエンジン制作やメンテナンスをはじめとする、レーシングエンジンチューナーであり、レース業界の老舗です。初めて戸田レーシングさんへエンジンの作業を依頼させてもらいましたが、感心させられる事、学ぶべき姿そんな事をたくさん感じさせられる仕事となりました。

始めにエンジン本体を車両から取り外し、岡山の戸田さんの所まで送らなくてはなりませんが、そんなエンジン載せるようなパレット持ってないし、「パレットか何かないですか?」と軽い気持ちでお願いしたところから始まります。電話の感じでは「そうですね、パレットいりますね。専用の物送りますね」からでした

木製のパレットが来ると思っていたら、とんでもない専用のアルミの箱が送られてきました。しかも鉄の土台にはF20Cウエットと書いてありました。と言う事はドライサンプ用の土台も有ると言う事が容易に想像できると共に、テレビなどの映像でフォーミュラーのエンジンがこの箱に入って移動されるのを見たことがありましたが、まさにそれでした。軽くお願いしてホンモノ送ってきた という驚きと、やっぱり本物は違う?と言う期待が作業をお願いする前から高まります

ビックリするような箱が送ってきましたので、頑張ってエンジンをおろします

外したエンジンから補機類をとりはずして、カッコいいパレットへ載せます

エンジンは岡山の戸田レーシングさんへ旅立ちます

それから約5ヶ月後エンジンが返ってきました。このエンジンの凄い所はポート研磨や燃焼室の容積が合わせてあったり、燃焼室が磨いてあったりと多数あるのですが、一番の特徴はエンジンベンチで動作確認後 慣らしを行い、パワーチェックまで行われて返却される所にあります

エンジン単体で返却されますので周りの補機類を組み付けます

20万キロ頑張ったゴムホース類はすべて新品に交換

ハーネスも組み込んだら、新品以上に高精度に組み付けされ慣らし確認の終わっているエンジンを心臓部を待ち望んでいたエンジンルームへ戻します

クラッチもダイナミックバランスを合わせてある戸田さんの物に交換しました

ベンチで回していますので、排気側のポートは黒くススがついています

エンジン回りの作業が終わったらVproの作業をして、とりあえずエンジンが始動出来る状態にします

オイルやクーラント等を入れたら、エンジン始動します。拍子抜けするくらい簡単に一発でエンジン始動

各部からオイルや水が漏れないか慎重に確認

問題がないのでダイナパックへ設置

いくら慣らしが行われているとはいえ、何かあっては困りますから始めは少し様子をみながら、徐々に全開にして、色々と探りながら、気持ちよくエンジンが回るポイントを探しながら、Vproのデーターを変更し、セッティングを行います

最終的には戸田さんより伺っていた馬力と5馬力も差がない、聞いていた通りの馬力が出て、一安心すると共に、本当にその通りになった喜びに包まれました

今回はありがたいお客様のおかげで、初めて戸田レーシングさんの仕事を見せていただく事が出来ました。以前から戸田さんは凄いと耳にする事がありましたが、実際自分で仕事をさせて頂いて、始まりから終わりまで、僕も仕事に対する姿勢として真似をしなくてはと感じる事が大変多くありました。 例えば写真にある通り、送ったエンジンから外した物は、ガスケットだろうが、ボルト、ナットだろうが全てがきちんと管理され、新品部品を梱包しているかのようにしっかりと梱包され、全て返ってきました。フォーミュラーのメンテナンスをする、レースに携わるってこういう事なのかな?と感じましたし、やっぱりホンモノは違うんだと見せつけられた感がありました。

エンジンの出来がいいのは当たり前で、その先の心構え、姿勢を学ばせて頂いた、本当にありがたい仕事となりました。

お車を受け取られたお客様は、全部違う、力強さを感じる、アクセル踏むと背中が押される、怖い、と大変満足頂いたことも付け加えさせて頂きます

ご依頼、本当にありがとうございました

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