ZK通信

BNR32 HKS Vカム with クランクアングルセンサーコンバージョンキット

BNR32GT-Rにクランクアングルセンサーコンバージョンキットを取付けされたお客様より、綺麗にエンジンが回る様になったので、もっと上をみてみたいですと要望をいただきましたので、HKSのVcamを購入いただきました

Vカムは数種類ありますが、可変量50°のステップ2、排気側には272°を選択

可変量50°のVカムはピストンクリアランス確保の為HKS製のピストン装着が必須となりますが、このエンジンはトラスト製のピストンを一昔前に他店で装着されているとお客様より情報を頂きましたので、購入前にHKSに相談しました所、ピストンとVカムの図面を確認していただき、おそらく逃げるでしょうとお返事もらってからのご購入、作業となりました。

まずは今まで装着していたカムを取り外し

カムを組んでピストンとのクリアランスを計測します。説明書によると6.7ミリ以上必要。HKSよりおそらく大丈夫でしょうとお返事もらっていますが、もしって事があってはエンジンお釈迦にしますので、しっかり計測し、確認をします。結果は6.7ミリ以上あり、おそらく大丈夫でしょうから大丈夫そうねと言った感じになります

大丈夫そうなので、バルブクリアランスを測定します再度カムを外してシムを測定、目標のクリアランスになる様にシムを発注、カムが変わるので当然の様に24個シム交換となります

シムが届いたらエンジンに取付けし、再度カムを組み付け

再度24か所クリアランを測定し目標通りのクリアランスになりましたので、タイミングベルト、カバー類の組み付けをすすめます

次はバルブタイミングの測定。ピストンがメーカー指定の物とは違いますので、細心の注意をはらって、本当に指示通りになっているか、計測と確認を繰り返します。 たぶん大丈夫でしょうが、大丈夫そうね、になってきて、ここも大丈夫。と少しずつ不安が消えていきます

カバーを閉めてもよい状態まで組み付けはすすみ

カバーを閉めても再度計測。Vカム取付けはは色々な所の計測を求められます

さまざまな計測結果も問題なく、何となくRB26らしい見た目になってきます

更にこの車両はクランクアングルセンサーコンバージョンキットも取付けされていますので、問題はないはずですが、カム交換に伴って、タイミングベルト周りを取り外ししましたので、大事をとって、こちらも再計測。問題なし

フロントカバーを取付けると、取り付け作業の終わりがみえてきます

その後はVカムの電気的な配線、カムの信号線のひき直しを行い、VカムをVプロで制御するための配線の接続を行います

クーラントを入れて

Vプロのデータを作成、書き込みをおこなって

いよいよエンジン始動。まずはVカムを作動させず、最遅角固定のままエンジン始動し各所からの異音の有無を確認しながら、オイル、水の漏れが無い事を確認。 何も問題なく少しだけホッとします

次はVカムを作動させアイドル回転数でバルタイを最遅角から最進角へ進めて、バルブとピストンが接触しない事を確認します。購入の段階でHKSからは大丈夫でしょうとお返事もらっていましたが、それでも間違いがあってはエンジンお釈迦になるのは目に見えているので細心の注意を払って、あれだけ測定したから大丈夫だろうとは思っていても、最後は実際に動かして確認するしかありません。もしその時に接触するような事があれば、その瞬間に今までの作業は全て台無しとなってしまいます。写真だと2枚ですが、文章では一瞬ですが、パソコンで本当に少しずつ進角し、確認している時の緊張感をお伝え出来ないのがもどかしくも感じます。結果は最進角させても何も問題なし。ここまで来るとかなりの確率で大丈夫ですが、あとはセッティング中に高回転まで回して接触しない事を祈るのみです

セッティングの為にダイナパックへ設置

点火時期などを確認し、セッティングを開始、何度もダイナパック上で全開を繰り返し、バルブとピストンが接触する事もなく無事セッティング終了

最終的に同じブーストでトルクで約9キロ、馬力で約41馬力の向上。点線がVカム装着前、実線がVカム取り付け後になります。低回転から高回転まで全域でトルク、馬力の向上がみられます。Vカムの性能の高さがよく分かる結果となりました。(クランクアングルコンバージョンキット取付けの際も今回のVカム取付けの際もどちらもダイナパックの補正係数tcf1.0で計測していますので、実際にハブに出て来た生のデータでこれだけ向上した事が正確に確認出来ます。補正係数tcfが1.0意外ですとロス馬力の分もプラスに表示されますので、みかけのトルク、馬力は大きく表示されますが実際の向上分が比較できません。その為みかけの数字は低く表示される事になっても常にtcfは1.0で計測しています)

ダイナッパクで回す際にオイル漏れや、水漏れが確認しやすい様、熱がこもるのを防ぐために外していた、アンダーカバーを取付けし

実走での街乗り部分のセッティングの確認と修正を行って、作業は無事全て終了となりました。

クランクアングルセンサーの結果がよかった事が今回のVカム作業につながりましたので、お店としてもよさを感じて頂けてとてもうれしく思いますし、Vカムの偉大さも数字でしっかりと確認出来ました。トルク、パワーのカーブが物語っていますが、お客様より全域でトルクがましているので、とても乗り易い、高回転はとっても速いとニコニコと感想をお伝え頂きました。とってもいい状態のお車ですので、これからも大切に乗って頂ければと思います。今回もありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします

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